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インテリアの歴史 インテリアの歴史

■インテリアの歴史を紐解く

古代
インテリアにおける歴史は非常に古く、古代エジプトの時代にまで遡ることが出来るが、 その頃のインテリアは一部の特権階級のみが用いた権力誇示の手段であった。 古代ローマの時代になると一部の上流階級では、大理石張りのモザイクや漆喰塗りのフレスコの壁画などが飾られ、 家具もまた象嵌や彫刻など装飾性の高いものが使われている。 一方、一般家庭は生活に最低限必要な道具(家具、調理設備)などは備わっていたが、装飾性を伴うようになるのは随分と後の時代である。

中世
11世紀頃になるとギルド制によって手工業が発達したこともあって、家具が大量に出回るようになり、ようやく庶民の手にも届くものとなってくる。 家具類は机や食器棚などであるが、庶民の用いていたものはまだ装飾性は見られない。一方、上流階級の用いたものは装飾性も備わり、 イスラム文化から伝わった唐草、渦巻き紋様やステンドグラスの窓などが見られるようになった。

近世
15世紀、ルネッサンスの時代になると、建築家が一つのステータスを得るようになり、こぞってより優れたデザイン構築を研鑽した。 それによって彫刻技術も飛躍的に進歩し、壁や天井には精緻な彫刻が施され、華麗さを増していった。一方、庶民の間でも住宅に暖炉を配し、 家具を揃えるようになっており、インテリア文化の骨子が整ったといえる。また、この頃の家具は椅子などに羽毛などが使われ始め、 インテリアにファブリックの概念が用いられるようになった。その後バロックの時代を向かえると、家具の装飾性は更に増していき、 イタリア製の家具はステータスシンボルにもなった。一方、ベネチアを中心にガラス工芸も発達し、インテリアの一アイテムとして採り入れられるようになった。 ロココの時代になると更に芸術性、装飾性が増し、家具に花鳥のデザインを施したものが見られ、より艶容なものに変わっている。 その後、ネオクラシシズムと呼ばれる回帰現象が起こり、中産階級にも受け入れられる堅牢、かつ端整な家具や装飾が好まれるようになる。

近代
その後劇的な変化を遂げたのが近代の産業革命である。それまで装飾の主役であった木、大理石といった素材に代わり、 鉄とガラスが加わることになったからである。これらの大量生産はインテリアの方向性も大きく変え、インテリアをより工業的なものに変えていった。 その結果、装飾性より機能性が重視されるようになり、特にアメリカではその傾向が顕著となった。 デザインも斬新、かつ奇抜なものも増えていく。一方、フランスでは従来の装飾美術を重視した、アールデコと呼ばれる風潮が席捲し、 アメリカでもバウハウスなどが登場し、時代の趨勢を受け止めつつ、従来の装飾文化の在り方を見直す動きも盛んになった。 その間に、時代時代毎に刻まれた文化における装飾の統一性は徐々に失われていった。

現代
現代ではモダニズム、ポストモダニズムという変遷を経て、今日に至っている。 また、古くより独自の装飾文化を持っていた日本が大きく世界にも影響を与えている。これは日本の住宅が西洋化したことが大きく関わっている。 後述するインテリア産業の爛熟も、それに因るところが大きい。


日本住宅のインテリアの概念
日本におけるインテリアの概念は西洋のそれとは大きく異なっていた。 その原因は気候の違いである。西洋諸国は年中を通して降雨が少ないため乾燥している代わりに、緯度が高いため日射しが弱い。 そのため気温は低く、冬の寒さが厳しい。そのため、堅牢な壁を施し、室内に暖炉を配し、熱を外に逃がさない家造りが行われた。 インテリアはそのような家を装飾するための手段であり、室内環境の向上を目指したものである。 そして、室内と室外は隔離されており、ガーデニングやエクステリアといった概念が登場し、それぞれ独自の発展を遂げた。

対して、日本の気候は年中を通して温暖湿潤で、夏の暑さを避けるための工夫が施されている。畳張りで、間仕切りには開閉可能な襖や障子が配され、 家の中に風がふんだんに通るように工夫されている。また、インテリア、エクステリアといった概念はなく、室内と室外が一体化して一つの家となっていた。 日本庭園などでも建築は庭園を構成するひとつのパーツとして取り込まれている。

また、日本は武家社会に見られた侘び寂びの精神など、質朴なものが好まれる傾向にあった。 また、貧しい者らは自宅を装飾する金銭的な余裕もなかったことから、インテリアのような装飾文化は庶民の間では浸透せず、 一部の豪農や商人、寺社などで欄間、彫刻など、襖絵などが用いられたに過ぎなかった。

日本の住宅事情とインテリア産業
日本でインテリアが発達した背景には戦後の住宅政策による欧米式住宅の増加によるところが大きい。 その煽りを受けて、従来の日本建築は防災上の観点などもあって、大きく地位を追われた。 しかし、インテリア産業が発達した直接的な背景は、高度経済成長期を迎えて、中産階級層に生活上のゆとりが発生し、 ニーズが高まった結果である。当初は、一般に言われた三種の神器や3Cなどといった機能目的の電化製品、 自動車などがステータスシンボルとなったが、これらが充足してくると、次はオーディオなどといった娯楽品と共にインテリアが重要性を増していく。 目的は生活環境の向上のため、また個性の主張、階級の差別化など様々であるが、生活を豊かにするためのアイテムとして需要が高まっていったものである。 そしてインテリア産業は個別のアイテムを売るのではなく、提案型(たとえば家をリフォームするのなら、その中に家具一式を盛り込み、 それを提案ししつつ、商品を販売する)の販売方法で、大きく成長を遂げた。

今日では木のぬくもりや和の心、またはロハスなどといった概念もあって、日本住宅や和風のインテリアが見直され、 和洋折衷ともいえるものも多い(木製ブラインドや障子紙のロールスクリーン、藺草の絨毯など)。洋風住宅の中に和室が設けられることも多い。


健康面の問題
インテリアは、生活に直接結びつくため、まず採り上げられるのは健康面での問題である。 特に取り沙汰されるのが壁紙とカーペットであり、前者はシックハウス症候群の直接的原因として、 後者はアレルゲンとなるダニの温床であるとして問題が指摘されている。

壁紙のケース
壁紙が槍玉に挙がったのは環境ホルモンの研究が進んだ1990年代以降で、特に壁紙を付着させる時に用いられた有機接着剤が、 高濃度のアセトアルデヒドやホルムアルデヒドを含んでいたことが問題となり、シックハウス症候群の誘発因子であると叫ばれた。 そのため、近年は各メーカーとも環境ホルモン対策を進めることで、安全な素材が使われるようになったが、 壁紙が国内に広まった1970年代後半から考えると、全く検査もされないままの住宅が圧倒的多数を占めている。 尤も、これらの薬剤は揮発性が高いため、築何年も経つ住宅では濃度も健康上問題ないレベルには落ち着いているので、 今後アスベスト問題のような騒ぎにはなることは少ないと思われる(ただし、これらの問題のメカニズムが解明されてきたのが90年代に入ってからであるため、 それまでに原因が分からずじまいで健康を被害を受けた、あるいは死亡したケースの賠償問題などは発生するおそれはある)   中国では、粗悪な有機溶剤を用いた壁紙が貼り付けられている都市部マンションの子供らの、白血病罹患率が異常に高くなっているデータが発表されており、 対応を迫られている。

カーペットのケース
カーペットがダニの温床になり、アレルゲンの原因となっていることは、1990年代後半、情報バラエティ番組によって世間に広まった。 これにより、カーペット業界は大打撃を受け、売上を大きく落とすことになる。メーカーは手入れの問題で解決できると反発したが、 実際、ダニはカーペットの細かい繊維に足を引っかけ、掃除機でも吸い取り切れないという研究結果が報告されている。 尤も、掃除機の熱によってダニは死んでしまうのだが、ダニの死骸自体もアレルゲンとなっていることが分かっている。   そのため、小さな子供がいるマンションなどでカーペットの買い控えを行う傾向が高まった。 しかし、今度はそれによって、子供らの足音などによる騒音被害とそれによる住民トラブル、または子供やお年寄りが転倒して大怪我を負うケースが増えている。   実際は、カーペット自身には何の罪もなく、手入れを怠ったカーペットには食べかすや埃が溜まり、それをダニが食糧とするのである。 カーペットには埃を吸収するダストポケット効果があり、埃の飛散を防ぐ特長があるのだが、それが仇になった結果といえる。 根本的な問題は利用者の手入れの問題であり、こまめに掃除機をかけるのが望ましい(ただし、掃除機の排気もアレルゲンの問題が指摘がされているので、 特にアレルギーの子供がいる場合は、それをクリアしたものを選ぶべきである)。また、箒などによる掃き掃除では熱を与えられないため、 ダニ駆除としてあまり効果がない。
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